人は、良し悪しにかかわらず、常に影響し合って生きています。
自分が本当に求めていることが何か分からない人も多いものです。
ふとした時、思い浮かべる人がいたら、自分が求める像がその人にあるのかもしれません。
イライラしている人のそばにいるとイライラしません?
いつも穏やかで心が温かい人のそばにいると、癒されません?
気持ちが伝染するとは、気づきもしない事実。
「ストレス」も「穏やか」も伝染する
ずっとストレスを抱えている親をもつ子供は、常にストレスを受け続けています。
穏やかに暮らす親を持つ子供は、常に穏やかな気持ちでいます。
家族に限らず、自分の周囲にいる人を改めて観察してみたら、意外なことが分かるかもしれません。
自分が影響されているであろう人が、すぐ傍にいたりします。
〇四角四面の潔癖症の人が近くにいたら、なんか窮屈に感じてしまう。
〇やりたくないことを無理やりやっている人の近くにいたら、逃げ出したくなる感覚に陥る。
〇逆に、やりたいことを真っすぐやっている人の近くにいたら、自分も自由にやっていいんだと感じる。
〇心が広く、観念の幅があり、ゆとりのある人の近くにいたら、心が解放された気分になる。
〇精一杯頑張っている人が近くにいたら、元気出さなきゃと思う。または、無気力になってしまう。
などなど。
影響されるということは、その人の気持ちが自分に伝染していると言えます。
自分にストレスがあると他者のストレスが分からない
ストレスは、誰かから影響を受けて起きるだけではありません。
自分自身の気持ちも、誰かに影響し伝染しているのです。
ストレスを感じていて、心がパンパンになっている状態では、誰かのことを感じる余裕すらなくなってしまいます。
ましてや、自分が誰かに影響しているなんてことも考えられないものです。
他者からの影響には敏感でも、他者への影響には鈍感な人は大勢います。
親子の関係でよくある話
親が子供を見てイライラするのは、実は親自身の無意識にあるイライラが子供に投影されているだけだったり。
泣き虫の子供がいて、可哀想・・・と思っている親の心の内に、癒しきれていない悲しみがあったり。
礼儀作法に煩い親の前で、子供が礼儀の意味も分からず良い子を演じていたり。
お子さんのいる方は、自分のこととして子供を見てみてください。
自分の内にある気持ちの問題が、そのまんま子供に伝染している場合も少なくありません。
子供に起きる心身症状
〇湿疹
〇過緊張からくる頭痛・首・肩・背中の痛み
〇喘息
〇歯茎の痛み、出血
〇チック
これらの症状が出ている子供は、何らかのストレス症で苦しい思いをしている可能性があります。
まずは自分から
自分のストレスを知らないことには、対処のしようもありません。
ましてや、他者に影響していることだとしたら、自分から解決していかなければ、他者の問題を指摘することもできません。
相手が大人であれ、子供であれ、自分自身の問題として扱わないと、何の解決にもならないものです。
自分の気持ちは、自分にしか分からないもの。
誰も察してくれない・・・なんていう考えは、まず捨て去りましょう。
なぜなら、確実に伝染しているからです。
意識的に理解はされていないものの、無意識に感じてはいるものなのです。
他者を鏡として見た時、自分自身の姿がその人に投影されているものです。
人間関係のいざこざ
互いにストレスをぶつけ合っている状態。
価値観や観念のズレからくる、理解不能な状態。
育ってきた環境、親や土地柄、家族のルールからくる「正しさ」の誤解。
などがあげられます。
自分がいい気分になれることをする。
自分の気分がいいと、相手にも「気分がいい」が伝染していきます。
自己中と言われても、自分の気持ちを優先して、気分を良くしていくことが大事なことです。
自分が穏やかで、ゆとりのある状態でいると、周囲がよく見えてきます。
すると、自分が今、何をどうしたらいいのかが分かってきたりします。
〇一緒に過ごす時間
〇スキンシップ
〇話をしっかり聞いてあげる
〇自分の考えや思っていることを話す
〇共有できるものを探す
〇注意深く観察する
などは、相手に対して出来ることになるでしょう。
気持ちの伝染を理解し行動していく
どんな気持ちも確実に伝染している・・・ということを心にとめておきましょう。
問題、トラブルの原因は、自分の内にあるかもしれません。
相手の心にあるかもしれません。
大人であれ、子供であれ、自分の影響している範囲を意識していくことが大事なのです。
自分に投影された相手、相手に投影している自分。
この双方向を意識することで、自分の観察視となります。
相手を「察する」ことが出来る自分になっていけます。