人間関係において、もっとも大切な要素の一つが、心の距離をどうするかです。
大好きな人、恋人やパートナーと心を近づけたい。
大切な仲間や家族と心を共にしたい。
ところが、心をどう扱ったらいいのかが分からずに、ギクシャクしてしまったり、縮めたい距離が開いてしまったり。
本当は〇〇したいのに・・・。
そんな経験は誰しも一度はあるものです。
相手との心の距離を近づける、3つのステップ
ステップ① 相手の波長に合わせる
ステップ② 相手の信頼を得る
ステップ③ 相手と協調し、相手の感じていることを拒絶、否定しない。
賢者は言う。
『言葉より気持ち』
自分の心にある素直な気持ちには、『魂のはたらき』がある。
「目は口ほどにものを言う」ということわざもあります。
ただじっと見つめるだけで通じるときってありますよね。
動物の反応はとても素直
© 1984 Studio Ghibli・H
「風の谷のナウシカ」というアニメ映画の1シーンを思い出します。
小さいリスのようなテトという動物が、ユパに連れられてナウシカの元にやってきたシーン。
恐がるテトは、はじめはナウシカを威嚇します。
ナウシカは、「怖くない・・・」と呟きながら、『あなたを受け入れます』という姿勢でテトの目をじっと見つめています。
テトは怖さのあまりナウシカの指を噛みますが、ナウシカはそれをも受け入れ、愛情を注ぎます。
「大丈夫・・・もう怖くない」
恐がっていたテトもやがて心を開き、ナウシカと生涯を共にするくらいの信頼を向けます。
ナウシカは、心の距離を近づける3ステップを見事に為して、テトとの信頼と友情を得ています。
①テトの怖がる気持ちを察し、ただ見つめることで波長を合わせます。
②テトが噛みついてきても、怒らず、怖がらず、ただ愛情と信頼を寄せます。
③噛んで傷つけたナウシカの指を、テトが舐め、頬ずりすることで、テトとナウシカの心の協調ができました。
①波長を合わせる
人の関係において、最初のステップは、「本当の意味で見ることと聞くこと」。
「どう感じてますか?」と素直に尋ねるのもいいでしょう。
相手が腕組みをし、明らかに緊張している状態ならば、ただじっと視線を優しく合わせるだけでもいい。
声を震わせ、怯えている。
どんな奴なんだ・・・という疑いを持っている。
そう簡単に心は開かないよ・・・という強固な姿勢でいる。
瞳が潤み、今にも泣きだしそうなのか、それともワクワクしているのか。
相手の気持ちを察し、波長を合わせること(理解すること)で、相手との距離が少し縮まります。
心から見つめる目は、自分を物語る一つの要素となります。
②信頼を得る
相手の本当の心に触れるには、相手との間で信頼がなければ難しいものです。
どんな奴だ・・・と疑われているならば、こんな私ですと心をそのまま視線にする。
強固な姿勢ならば、あなたを傷つけることはしないよと。
聞いてほしいことが山ほどある張り詰めた感じならば、全て聞いてあげるよと。
自分の方から心を開いている状態であることがとても重要です。
ナウシカは、たとえ自分がテトに傷つけられようとも、テトを信頼し愛する姿勢を崩しませんでした。
テトは「ここにいても、いいんだ」という安心感と「頼っていいんだ」という信頼をナウシカに寄せるのです。
指を舐め、頬ずりすることで、それをナウシカに伝えたのです。
③調和する
どんなことも、どんな話も、どんな状態でも、あなたを受け入れる用意ができていますよ。
という「受け入れる」姿勢であることです。
調和するとは、相手と自分の区別がなく、相手のことは自分のこととして一体化している状態のことをいいます。
本当に信頼して、愛し合っている二人には、言葉よりも互いの存在を感じ合う時間の方が大切だったりします。
親友とも同じでしょう。言葉は少なくとも、互いに何を思い、何を考えているのかわかるように。
『相手が感じていることを感じること』
相手に意識を向け続けていると、相手の心から伝わってくるものがあります。
「わたしも同じように感じている」と気づくならば、相手との調和が成り立っているのです。
ナウシカは、テトが見知らぬ土地で初めて会った自分を警戒して恐れることは、当然のことと感じていました。
そして、それまで自分が住んでいた土地から人の手で離されることになったのを恨んでいるかもしれません。
ナウシカは、テトの感じているままをそのまま受け入れ、「それでも大丈夫だよ、怖がらなくていいんだよ、私はあなたを決して傷つけない、私があなたに傷つけられようとも・・・。」そういう心のままでテトと向き合ったのです。
「あなたはわたしだから・・・」
まとめ
心が離れてしまうと、自己主張が強くなり、諍いや喧嘩が絶えないかもしれません。
心が調和しているときは、普通に話します。
心が一つになっているときは、言葉より互いの存在を感じ合っています。
人生において、人間関係はなくなることはないでしょう。
どうしても距離が縮まらない人だっていると思います。
縁ある人を大切に思うなら、『心を縮める3ステップ』を実践してみてください。
どんな人とも調和できる世の中にするならば、まずは自分から「心を開く」ことだと思います。