本気を出せ!!
何かの折に直面する言葉ですが、本気ってそもそも何なん?
冗談や遊びなどでない、本当の気持ち。真剣な気持ち。また、そのような気持ちであるさま。
コトバンクでは、このように記されています。
本気は、言葉ではよく使われますが、本当の気=魂の気だと私は思います。
本気になる瞬間は、人によって様々あると思います。
死に直面する絶体絶命の瞬間。
我武者羅になって限界を超えた瞬間。
そのことだけに集中して、全身全霊をかけて行う瞬間。
本気が出てくると、奇跡的な場面に遭遇し、まさかと思うパワーを発揮するものです。
人生の中で、何度も訪れる本気を出す瞬間。
是が非でもそれを成そうとする心意気と、なりふり構わずに向き合う精神力、何にも囚われることなく、ただするという集中力。
この3つが巧く重なったとき、尋常ではないパワーが発揮されるものです。
そう在るために、それをする。
私の先輩の話
もうお亡くなりになりましたが、彼はヘリコプターのパイロットでした。
ある日、空を飛行中に天候が突然荒れ始めた。
雷雲のせいで計器が狂い、目の前は分厚い雲。
パイロットを含む数名が乗っていたのだが、彼は操縦桿を握り、なんとか雲を抜け出そうと必死だった。
近くに鳴り響く雷。叩きつけてくる雨。
管制塔への無線も届かない、どこをどう飛行しているかも分からない状況に追い込まれ、誰もが墜落の恐怖を覚えた。
視界も計器にも頼れない状態で、彼は思い出した。
雲を消す!!
ある聖者が見せてくれた雲を消す技を、どうやって消すのか分からずにいたのだが、消そう!!と心に決めた。
操縦桿を握りしめ、視点を雲に当てる。
心で念じた。「消えろ!!」
彼はパイロットである誇りとか、立場とかも考えず、ただひたすらに念じたのだ。
最後は声に出ていた。
「消えろ!!」
すると、目の前の雲が徐々に晴れていき、ヘリコプターの周辺だけぽっかりと穴が開いたように開けた。
無事に着陸できた。
後の彼に話を聞いたのだが、あれほど本気になって念じたことはない・・・と。
その後、彼はヘリを降り、ヒーラーの道を歩むことになったそうだ。
絶体絶命の瞬間、ほんの僅かな可能性を信じ、出来ないと思っていたことにチャレンジした結果、可能性は現実となったのだ。
自分だけではなく、乗員たちの命を救いたいという必死の思いが、本気となって奇跡を呼び起こした。
別の先輩の話
彼女は霊能者であることを社会に隠して、トラックの運転手をしていた。
広島から東京に荷物を運んだ時の話。
国道20号に入り、相模湖から八王子に抜ける峠道に差し掛かった。
それまでは何事もなく、いつも通りにスムーズに運転していたのだが、突然「プシューッ!!」という音とともに、ブレーキが利かなくなった。
しかも峠道の下り坂。
10tトラックは、その重量もあり、速度を上げた。
隣には、彼女の旦那さんが同乗していた。
ブレーキを踏んでもスカスカ言うばかりで、速度は90㌔を指していた。
もはやカーブが来たら谷底に落ちる・・・。
彼女は思ったそうだ。
「絶対に乗り切ってやる!!」
旦那さんは、死を覚悟した。
彼女はハンドルをしかと握りしめ、どんなことも乗り越えて無事に峠を越えるという覚悟をした。
対向車がきたら確実に大事故になる。
ガードレールを突き破ったら転落する。
サイドブレーキは辛うじて使える状態。
しかし、10tトラックにはおよそ意味がない。
エンジンブレーキを駆使しても、80㌔以下に落ちることがなかったそうだ。
不思議なことに、対向車とすれ違うのはカーブではないところ。
ガードレールには何回か当たったけど、押し戻してくれるように感じたそうだ。
鬼の形相になっている彼女をみた旦那さんは、あれほどの顔をこれまでしたことがないと言っていた。
死と隣り合わせの10tトラックカーチェイス。
無事に峠の下まで降りきって、やっとトラックは停車した。
その後、ブレーキを確認すると、どこも故障していないという不思議な結末だったそうだ。
後の彼女は「あれは本気になれという私への試練じゃった・・・」と言った。
それまで封印していた霊能力を活かす決心をし、活動を始めたそうです。
何をするにも、どんなことにも、本気を出して事に当たれば、乗り切れないことはない。
ただ人の本気は、簡単には出てこないということなのか。
諦め、絶望、無慈悲・・・。
命がかかったとき、どうしても誰かを助けたいとき、是が非でも超えなくてはならない時・・・。
たとえ自分の命に代えてでも、という思いは、奇跡を呼び起こす。
無難に石橋を叩いて渡っていても、本気を試される瞬間は、どんな人にも訪れる。
それはどんな内容で、どんなことなのかは、分からないもの。
その瞬間にどんな選択をするのかは、自分自身にかかっている。
諦めて、絶望するか。
何が何でもという希望を持つか。
あなたがあなたの魂を信じて、常に本気で生きる覚悟を持っているか・・・。