広島の霊能者の女性は、幼少期から気持ち悪い女の子として扱われていた。
母親のへそくりを霊視で見つけたり、近所の人の亡くなる日を当ててしまったり、大事にされるどころか、疎ましく思われることが多かったようだ。
幼少期は、判断も出来ず、それが当たり前のことなのに・・・と辛いことも多かった。
大人になっても、その能力が消えることはなく、一人悩む日も少なくない。
ある日、命を断とうと飛び降りようとするが、首根っこを誰かに掴まれ戻されたそうだ。
そんな事を繰り返すうちに、精神病院に入ることになる。
という具合に、身の上話が始まったのは、夜10時を少し回った頃だった。
話は壮絶で、おいらは彼女の話にすっかり聞き入ってしまった。
彼女は神に何度も問うたそうだ。
「なぜにこんなに苦しい思いをしなければならないの?」
神は応えてくれなかった。
ある時、彼女は友人からインドに行くお誘いを受けて、行くことになったそうだ。
そこで出会ったのが、スワミとスワミの師であるバーバだった。
彼女は心のよりどころを発見したのだった。
精神病院を抜け出し、渡航したインドですっかり癒されたはずだった・・・。
しかし、
しかしですよ!!
0時を過ぎた頃から、心に積り積もった鬱積が出始める。
はっきり見た。
まっくろいオーラ。
しかも、それが自分に向かって入ってくる。
マジか・・・。
シャドーのお出ましだ。
表面では苦しく辛いを、内面では恨み憎しみを・・・
どっちにしてもヤバいよ、これは・・・。
←その時見たイメージ
ハッキリ言って逃げ出したかった。
けど、
『聞いてやれ』っていうじゃな~い。。。
で、聞いた。
彼女の顔は、般若の形相で、目は悪魔みたいだった。
弾丸を弾きまくる機関銃のごとく、話続けた。
私は、ひたすら黒いオーラを吸い取っていた。
途中何度もゲップし、何度も嘔吐感に襲われたが、それでも真正面に座って聞いた。
聞いた。
聞いた。
聞いた。
気がつくと、朝8時。
黒いオーラも大分なくなって、顔も般若じゃなくなってた。
『これが聞いてやるってことだ』
マジか。
脳裏によぎるバーバの姿。
この指令はバーバだったのか。
『吐き出させないと、誰かが聞いてやらないと、救えるものも救えん。』
朝9時ごろ、すっかり気分が晴れた彼女は鼻歌を歌いながら台所で朝食をつくり始めた。
出来あがったモノは、キラキラしていたけど、気持ち悪すぎて食べれなかった。
その日は、一日ぐったりしていたら、
彼女が言った。
「ロッキーどうしたん? 元気だしんしゃい!!」
えぇ~~~?!
マジか!
マジでいっとるのか・・・
ぶっ飛ばすぞ!!ごるあーー!!
口には出さない心の声。
彼女には感謝している。
この経験のおかげで、大抵の事には耐えられるようになったから。
でも、帰宅して1週間、寝込んだのは言うまでもない・・・。